立会い出産体験記
娘が生まれて一か月が過ぎました
おかげさまですくすくと育って2300gだった体重も今では3100g代まで成長し、嫁とともに喜んでいます。
いまこうして一緒に喜べるのは、立会い出産を行ったからでしょう。
いや、実際には半強制的に"立会い出産"させられました。
こういう時、男の発言権は一気になくなります。
仕事が繁忙期とかの理由は完全無視なのです。
出産は12月の終わりでした。
明日で今年の仕事も終わり!ラスト1日頑張ろう!と自分にエールを送っていた時でした。携帯に実家に戻っている嫁から連絡がかかってきました。
「おなかが痛いから来てくれ、生まれるかもしれん。」
うそんwww
これから風呂入って寝ようと思ったのに…
パジャマも着ようと思っていたのに…
ぼやきを言えば切りがありませんでしたが、妊婦のお願い事は絶対命令なのでした。
幸い嫁の実家までは1時間程度で行ける距離だったので、いそいで支度をしてむかいました。家に着くと嫁がでてきました。
嫁「よー。」
…全然余裕じゃんコイツwww
あとで調べたことですが、陣痛って波が収まった時ってほんとにあっけないくらい普通らしいです。いそいでやってきて損をしたと言ってやりたいレベルでした。
しかしこの後、陣痛の感覚が狭まると雰囲気は一変します。
10分間隔になったら嫁の両親と病院へ行き、受付け。この時すでに深夜0時でした。
真夜中!圧倒的真夜中です!
出産の波もどんどん激しくなってきました。
うなされる嫁。乱れる呼吸をリードしながらマッサージする俺。
なんだかリハビリ中のアスリートとコーチの気分でした。
看護婦さん「旦那さん妙に上手いですねwww」
まさか今までやってきた酔っぱらいの介抱とメンタルトレーニングの禅呼吸がここで活かされるとは思わなかった。
しかし、リードが上手いと言われたところで、嫁が苦しんでいることには変わりはなかった。
少し落ち着くとまた陣痛、落ち着いてはまた陣痛の繰り返し。
もう何回嫁の腰をマッサージしたろうか…
だんだんと睡魔が襲ってきていた時
嫁「破水したっぽい…」
きたきたきたきたきた!!!!!!!
もうすぐ生まれるぞ!!!!
あわてて看護婦さん呼びに行きました。
破水確認し、すぐさま分娩室へ。
立会い希望者の事前講習で助産師さんに「血みて倒れる旦那さんもいますが、奥さんのほうが大事なので基本自分で何とかしてください」といわれていたので、正直少しビビっておりました。
が
分娩代へ上がってからはあっという間で、すぐに娘が出てきました。
無事子供が生まれ、初めての出産のプレッシャーから解き放たれた嫁の目には大粒の涙が流れていました。そんな彼女のおなかの中から胎盤が出てくるのをみた僕は声に出さずとも「うへぇ、きもちわりぃ…」って顔になっていたでしょう。
先生が嫁の体調を確認すると、「おまた2センチほど切れてるので縫いますね~」手際よく切れた嫁のおまたを縫っていくのです。
え、そんなに割けるの??てか縫うのに麻酔なしですか!!
娘がおなかから出てくるよりこっちのほうがショックで倒れそうでした。
嫁は文字通り自分を痛めて娘を産んでくれたのです。
嫁ありがとう。この時ばかりは感謝の念を抱きました。
おそらく立会い出産をしなければこの感謝は生まれなかったでしょう。
二人ともありがとう、これからもよろしく。